チョコレートと、「テロとの戦い」

2015年2月11日 - もっと詳しく!フェアトレード

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みんなの視線がチョコレートに集まるこの数日。
大作「チョコレートの真実」から、抜き書きでお届けします。
もっといい世界は作れることを、信じて。

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<ある外交官の悲しみ>

(マリからコートジボワールに赴任した外交官の集めたものを著者が見て)

写真は驚くべきものだった。
ほこりまみれの怯えた子どもたちが写っている。
靴もはかず、ほとんど服もきておらず、笑顔はない。

写真がまざまざと示す、胸をしめつける実態。
10歳から18歳くらいまでの少年たちが数多く写っていた。

少年の肩や尻の傷口を示す写真も数十枚あった。
どの傷がなぐられたことによるもので、どれが重い袋をかついだものか、
見分けるのは難しい。
しかし傷はどれも手当されていなかった。

マッコ(外交官)が行くまで、ほとんどの少年が、
数か月から数年も働いていた。

マッコが最も悲しかったのは、死にかけた少年を見つけたことだった。
「重なった葉の下に、何かが隠されているのが見えた。
最初は信じられなかったよ。
子どもだった。
病気で、ズボンは排泄物まみれだった。
外に放り出されて、死を待つばかりにされたんだ」

(中略)

奴隷の子どもたちは、
ゴミ箱をひかっきまわして食べ物をあさった。

生活は生きるための闘いになり
絶望的な厳しさになった。

逃亡はあきらめた。

逃げようとしてつかまったら仕置きだと脅されていたし、
せっかんされる少年も見た。少年たちは呪文をかけられていると思い込み、
怯えていた。

魔法で農園に閉じ込められていて、
魔術をとくことはできないと、
農園の管理人たちは彼らに言っていたのだ。

一人の少年が逃げようとしてつかまり、
魔法の秘密をどうやって知ったのか言うように
責め立てられた。

もしマッコがいなければ自分たちはまだあの農園にいただろう、
あるいはたぶん、今頃はもう死んでいただろうと、
二人は思っている。

(中略)

自分が救出したのはほんの一部の子どもだけだとマッコは言う。

見つけることのできなかった子どもがおおぜい、
おそらく今でもいると彼は思っている。

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IMG_3877[1]
ガーナのカカオ農場で働く子ども奴隷のドキュメンタリー。
母親にもう一度会えることを信じて働くコフィー君6歳。
(フジテレビ「世界がもし100人の村だったら」)
https://www.youtube.com/watch?v=BfB3ZTL3RTw

 

さて、どうしてこんなことが起きるんでしょう?
それはカカオの市場価格が安すぎるから。
すこしでも安くカカオをつくるために
大人を使うより子どもを使った方が安いと考える農場主がいるから。

次は、カカオの価格を上げようとした大統領のお話です。

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(「チョコレートの真実」つづき)

<最後の賭け>

1980年代後半にカカオとコーヒーの価格が暴落したとき、
ウーフェ(コートジボワール大統領・当時)は
コートジボワールのカカオの価格を上げようと躍起になった。
自国が世界最大のカカオ生産国であることに彼も惑わされ、
市場に対して影響力を持っているかのように
思い込んだのだ。

この2、30年で、1次産品の世界は激変し、市場の力は小国の政府をゆうに上回る。

市場価格は、カカオ豆など一生でただの一度も見たことのないブローカーや一部の有力企業によって決定される。

ウーフェは国際市場のカカオ取引を操作しようと全力を尽くしたが、
投資家と巨大企業が支配する市場には勝てない。

(引用ここまで)
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ウーフェは、世界銀行や大企業を相手に
カカオの価格を上げるための「カカオ戦争」
(ほんとうの戦争ではなく、様々な手段で値段を上げようとした)を仕掛けたのですが
完敗。

世界銀行からは、容赦ない取り立ての仕組み
あのおそろしい「構造調整」が、コートジボワールに課せられました。

このあと、ウーフェは権力を失い、
コートジボワールは泥沼の内戦へ。

貧しさに絶望した人たちは、なんだってやってしまいます。

そのあと、この国のカカオ産業は
市場をあやつる投資家と大企業の思うままになっていきます。

☆カカオ産地の子どもたちが気になった方は
ACEの「スマイル・ガーナ・プロジェクト」を見てください。
ghana-main
http://acejapan.org/choco/smile-ghana/

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こんなカカオの世界に、
解決策はないの?

「チョコレートの真実」の著者は、
フェアトレードの動きは農民にとって手続きが複雑すぎ、小さすぎて、
解決策になんてならない、と言っています。

たしかに、理想と現実が遠く離れてる部分もあります。
でもこの著者のしらない「現実」もある、と私は知ってます。
実際に生活を変えている動きは、あります。

アルで売っているPeopletreeのチョコの材料は

ボリビアのカカオの生産者さんで作る組合「エル・セイボ」のもの。
ここの動画。
ボリビアの女性の服がかわいい!

生産者のプライドも感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=RseN05fNDho

 

こちらナレーションは英語ですが、
キレイな風景、すごい崖っぷちをゆくカカオのトラック、
生産者さんの村での暮らしがよくわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=yb5vc63ie8g

 

いままた、「テロとの戦い」の言葉が飛び交っています。
10年前につくった漫画、
また出番です。
カカオの奴隷になっている子どもたちに心を寄せて頂くことが、
まちがいなくほんとうの「テロとの闘い」につながると
私は思っています。

旅カフェさん作 「チョコまんが」
http://www.h4.dion.ne.jp/~ftc/manga_cacao01.html

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