ファルージャの赤ちゃんの話

2010年11月30日 - 未分類

<むつみ>


いつも心をうつ、オーストラリア人のドナ・マルハーンさんからのメール配信。


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ファッルージャの赤ん坊と私の誕生日の願い事
2010年11月16日


お友達の皆さんへ


今日(16日)は私の誕生日ですので、一緒にお祝いしてくださるように皆さ
んを招待したいと思います!


もっと具体的に言うと、何にもまして是非いただきたいと思っているプレゼン
トがあるのです。それは、緊急に語る必要のある話を語る機会、自分たちの話
をほとんど聞いてもらえない人々に声を与える機会です。その人たちとは、戦
火に引き裂かれた埃っぽい中東の町で、戦争を生き抜くために足掻いている女
性や子供たちのことです。彼らにとって戦争は決して終わっていません。


それどころか、新たな戦争が毎日ファッルージャ市立病院の産科病棟で始まっ
ており、そこの婦人科医は毎日平均して3人の重度畸形児が生まれていると
言っています。


現在では比較的小さくなってしまったこの町で、これは年間1000人以上という数字です。


多くの胎児が死産となり、数時間後に死亡する嬰児も多く、生き残った者の大多数が数カ月しか生きられない、それほど赤ん坊の異常が重度なのです。ファッルージャの墓地には小さな「赤ん坊」の墓がいくつもあります。1歳の誕生日を迎えられた子供たちは、専門的な集中看護を残る生涯必要とするでしょう。


ファッルージャの女性たちに対する産科医の医学的助言は、いたってシンプル
です。「止めなさい」。子供を作るのは止めなさい、妊娠するのは止めなさい、なぜなら健康な赤ん坊を産まない可能性が高いから。


こういう言葉にはショッキングな示唆が含まれています。母親になることもな
い若い女性の一大世代。光を見ることも、笑うことも、愛を感じることもない
赤ん坊の、小さな人類の一大世代。


これがファッルージャの今の生活、ニューカッスルやウロンゴングと同じよう
な大きさのかつて栄えていた町の生活です。増大する家族、賑わう市場、華麗
なモスク、競技場、学校、産業、そして有名なイラク全土「最上のファラフェ
ル」などで、かつて活気に満ちていた町。


今や毒に冒され、戦争で疲弊し、実質的なゴーストタウンであるこの町の住人
は、この町から逃げ出すことさえ購えないか、どこにも行き場のない人たちで
す。


ファッルージャの畸形児誕生が劇的に上昇し始めたのは2005年で、それは
この町に対する米軍の激しい攻撃が2004年4月と、再度2004年11月
に加えられた翌年でした。


この攻撃では黄リン弾(別名白リン弾)ばかりか劣化ウラン弾が広範に使用され、こういった物質の有毒性とその結果による地元生態系への汚染こそが、成人の癌や白血病の増加も畸形児出産の増加もその原因であると言われています。


これは人間に対する劣化ウランの影響に関して私たちが保有する証拠に従えば、論理的結論だと思われます。しかし米軍は、ファッルージャでの劇的な畸形児の増加と化学兵器の使用との間に関連を示す明確な証拠などないと主張して、問題があるとは認めていません。


米軍の主張は、種々の報告は散発的な事例であり、米軍が応えるべき正確な数字や調査などないというものです。そのように、世界中の医者、イラクおよび国際的な人権団体、医療NGOの嘆願にもかかわらず、米軍はそれに応えることをWHO(世界保健機関)と同様に拒否しています。


同時に軍事占領が、調査を行なうために西側研究者がファッルージャに行くことをほとんど不可能にしています。


そうした事態にも関わらず、英国科学者クリス・バズビー教授率いる調査団が実際
にこの町に入り、大規模調査を敢行しました。


その調査結果は政府と真っ向から対峙して政府の対応を求めるものです。保健に関するある国際的な専門誌に今年発表されたその調査が、ファッルージャにおける出生異常ならびにその他の癌や白血病などの健康問題は、原爆が使用された後のヒロシマやナガサキの生存者よりも悪いと結論付けました。


繰り返します。ファッルージャの健康問題は、ヒロシマとナガサキのその後の
状態よりももっと悪いと考えられる。このバズビー教授の報告は以下で手に入
れることができます。
http://www.mdpi.com/1660-4601/7/7/2828/pdf


この問題に関する報道記事と短編ドキュメンタリーは以下で見つけられます。
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/toxic-legacy-of-us-assault-on-fallujah-worse-than-hiroshima-2034065.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/8549745.stm
http://www.youtube.com/watch?v=PFqyK8kB1Vk


この話がオーストラリアや米国メディアのレーダーには引っ掛かっていないこ
とは、皆さんもお気づきかもしれません。しかし皆さんも、これは広く語ら
れ、迅速な行動で応えるべき話題であると合意してくださるはずだと思いま
す。ファッルージャの赤ん坊たちは正当に扱われるべきであり、ファッルー
ジャの女性たちには希望を持ってもらうべきです。


ここに皆さんが登場する場面があります。非常勤の教授であり作家でもあるリ
チャード・ヒル博士と私自身が共同して、ファッルージャの赤ん坊の話を家族
たち自身の観点から伝えていこうと決めました。このようなことが二度と起き
ないように、劣化ウラン兵器(DU)を禁止する世界規模のキャンペーンに貢献
するために、私たちは本やドキュメンタリーや資料を作りたいと思っていま
す。


これを実行するためには、私たちはファッルージャに行かなければなりませ
ん。その目的は、バズビー教授の科学的データおよびその他のデータを使い、
子供の話や母親の嘆き、家族の苦闘や町の長老の意見などを通してそれに人間
的な側面を添えることです。しかし、皆さんもご想像できるように、ファッ
ルージャ入りを果たすには実行上の大きな難題があって、そこに皆さんがたの
援助を必要とする理由があります。この派遣団の費用と特別な危険予防策に必
要な費用は、私たち自身で都合できないほどの非常に大きな予算を意味しま
す。


私の最初のお誘いは、リチャードと私を来年早々にもファッルージャに送り出
してこれを実現する手伝いを皆さんにお願いすることです。一緒になってこの
話が必ず語られるようにできるのです。正義と説明責任と劣化ウラン兵器の使
用の終焉を確実にするこのキャンペーンにまだまだ足りない部分にも、皆さん
が手を貸すようにお招きします。私たちが必要とする援助には、ウェブサイ
ト、国連新決議を成立させるための政府に対する働きかけ、情報の伝達拡大、
グラフィックデザイン、各自グループ内でのこの問題の宣伝などがあるでしょ
う。


その内にもっとたくさんのことが必要になるでしょうが、まず始めに、私の誕
生日に、最も役に立つプレゼントを私に与えてくださることができます――ど
うかこの実行手段の支援を求める訴えに、あなたが出せる額の献金を願いしま
す。20ドル[訳注:約1600円]、50ドルなど、小額でも皆さんの多く
が応えてくだされば、この企画が可能になります!


この企画は、劣化ウラン禁止国際キャンペーンに多大な貢献をするものだと信
じています。(現在私たちはクラスター爆弾を禁止する国際的条約を実現させ
たのですから、劣化ウラン兵器にも同様なことができます。)この企画は、
ファッルージャに正義を確立する手助けができ、何にもまして、しばしば政府
と商業メディアから見放されてきた人々の苦痛を理解する手助けとなります。
この企画は、皆さんすべてになり代って、「許してください、私たちは変化の
ために働きます」と言える機会を与えてくれるでしょう。


私にとってこれは個人的なことです。


皆さんの多くは、私の劣化ウランとの密接な繋がりを御存じでしょう。


2003年に私がバグダードで出会った赤ん坊のヌーラ、劣化ウランに汚染されて手も足もなく生まれたこの赤ちゃんとの私の関係。この子は胴体と頭部だけですが、彼女の笑顔とエネルギーが私に深遠な影響を与えてくれました。


それからアリアン、バグダード小児病院で会ったバスラ出身の女の子で、1991年の湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾のために白血病で瀕死の状態でした。私とこの子の交流は強力であり、また神聖であり、私には決して忘れえないものでしょう。私の本『普通の勇気』は彼女の思い出にささげられています。というのは彼女の手助けで、私たちがやらなければならないことはすべて私たちにできることだ、と理解できたのですから。


今回のようなショッキングな状況に遭遇した時には、それが私たちを力づけてく
れることになります。


私は、米軍の攻撃が行なわれた時の2004年4月にファッルージャにいまし
た、そしてそこで行なわれた市民大虐殺の目撃証人です。


さらに、イラク滞在中に私が劣化ウランに曝露されている事実があり、それが
私の出産選択肢に影響を与えてきました。(この説明は私の本の最後の章にあ
ります)


ファッルージャの女性の話は私の話なのです。彼女たちの赤ん坊は私たちの赤
ん坊なのです。


アリアンが、瀕死のイラク人少女が、白血病に冒された全身で、会ったその日
に私に希望を与えてくれました。それは、自分には彼女を救えないけれど、自
分ができないことでいつまでも泣いていてはいけないと教えてくれたからで
す。自分に何ができるかを考えよと勇気づけてくれました……自分が誰である
かを考えよと、そして変化に寄与するためには実際に何ができるかを考えよ
と。


私は医者ではありません、でも私にはメモ帳とカメラがあります。私は科学者
ではありません、でもファッルージャに行くことはできます(その道は知って
います)、そこで人々の話を聞くことができます、その話に声を与える手助け
ができます。それが私にできることです。


そしてそれは始まりにすぎません。皆さんがた全員と一緒に、それ以上のこと
をやりましょう。


皆さんの巡礼者
ドナより


追伸:もし私の誕生日の願い事に寄与できるなら、銀行口座詳細は以下です。
Commonwealth Bank(コモンウェルス銀行)、a/c name: Donna Mulhearn –
volunteer expenses(口座名 ドナ・マルハーン――ボランティア費用)、
BSB(銀行コード)062 181、a/c number(口座番号)1030 5704、もし小切手
などの従来型をお望みなら、このメールに返信してくだされば私の住所を送り
ます。

追追伸:リチャード・ヒル博士は、シドニー大学平和・紛争研究センターの名
誉会員です。それ以前にはリチャードはサザンクロス大学、クイーンズランド
工科大学、サンシャイン・コースト大学、ジェイムズ・クック大学、ヨーク大
学で教鞭をとってきました。彼は、犯罪学、子供と家族の福利厚生、若者研
究、平和・紛争研究の分野で広く刊行してきました。同時に彼は大きな心を
持った偉大な男です!


追追追伸:劣化ウラン使用に反対する国連決議をオーストラリア政府が支持す
るように圧力をかける方法については、近いうちに報告します。最新の投票で
は、131カ国が支持した決議に、政府は棄権しました。米国は反対票を投じ
ました。どうしてわが国は棄権したのでしょう。


追伸x4:もし私の本を入手したければ、今では直接私から買うことができま
すので、書店価格(32.95ドル)を支払う必要はなく「優待」価格(25
ドル)でお分けできます。折り返しEメールしていただければ、私が本を送り
ます。参照
http://www.ordinarycourage.org


追伸x5:「彼女の苦しみを見ていると、気持ちが完全に落ち込みました。世
界を憎みました。ノイローゼになっているように感じます。最近あの子は眠ら
なくなり、怒って泣いています」――二つの頭を持って生まれたファッルー
ジャの赤ん坊ティバの母親。ティバはすでに逝ってしまった。

原文:The Fallujah Babies and my birthday wish
TUP速報 http://www.tup-bulletin.org/
配信担当 古藤加奈
電子メール: TUP-Bulletin-owner@yahoogroups.jp

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